猫だまし戦法講座 第4章・第4節 対2手目△3四歩・VS陽動居飛車型 その3

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対陽動居飛車の参考に

第67期王将戦七番勝負第5局・▲久保利明王将 対 △豊島将之八段戦で、後手の早めの△3五歩をとがめにいった対局が現れました。

この将棋は初手▲7八飛ではなく、3手目▲6八飛からの角道オープン四間飛車の出だしではありますが、△3五歩をとがめにいく構想が参考になると思うので紹介します。

棋譜と詳しい解説は、王将戦Webサイトで観ることができます(2018年7月時点)。

mainichi.jp

右銀で3五の歩を取りにいく

△8四歩ではなく△6二銀と上がり、後手・豊島八段が居飛車を明示した局面で、先手・久保王将は▲1七銀と上がりました。

石田流ではないので、▲7五歩〜▲7四歩〜▲7五飛の構想で3五の歩を取りにいくことはできませんが、代わりに右銀で取りにいきます。

猫だましで同じことをやろうとすると△8八角成〜△4五角があるため危険(▲7六角の切り返しがある局面なら成立)ですが、本局では6八の飛車で6七の地点を守っているため、強く戦えます。

以下第1図のように進み、先手が1歩得に成功しました。

【第1図は19手目▲3五銀まで】
後手の持駒:角 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v王v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・|二
|v歩 ・v銀v歩v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ 銀 金 飛 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 王 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=19 ▲3五銀まで

力戦形の戦い方

1歩得は果たしたものの、右銀が進出しているため玉を堅く囲いづらい先手陣。

囲い合いは後手の得とみて、この後久保王将は双方居玉の時点で仕掛けていきました(第2図)。

このような大局観はとても参考になります。

【第2図は25手目▲6五歩まで】
後手の持駒:角 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金v王 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二
|v歩 ・v桂v歩v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・v歩v銀 ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ ・ 金 飛 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 王 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=25 ▲6五歩まで

以下の白熱した見応えある攻防については、上述の王将戦Webサイトでご覧ください。

 

以上でVS陽動居飛車型の解説を終わります。

次回からは、第5節・VS向かい飛車型に入ります。

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