【2019年1月更新】ノーマル三間飛車の基礎知識、定跡まとめ

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ノーマル三間飛車(角道を止める三間飛車)の基礎知識、定跡をまとめました。詳細記事へのリンクも載せています。

なお、石田流については「石田流の基礎知識、定跡まとめ」を、奇襲戦法&特殊な三間飛車については「奇襲戦法&特殊な三間飛車の基礎知識、定跡まとめ」を参照ください。

 

VS居飛車穴熊&持久戦

真部流

【参考図は33手目▲4六銀まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v王|一
| ・v飛 ・ ・ ・v角 ・v銀v香|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 銀 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ ・ 金 ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=33 ▲4六銀まで

対居飛車穴熊の作戦の中で最も美しい布陣、それが「真部流」です。

故・真部一男九段が愛用していたためこの名が付いた、とされています。

居飛車側が四枚穴熊に組むのをあえて阻止せず(△5三銀の時点では▲4五歩とは突かない)、目一杯穴熊囲いに手数をかけさせます。

その代わりに、三間飛車側は4筋(後手番ならば6筋)の位をとって▲5七銀型から▲4六銀と上がり、4筋位取り「四枚」美濃囲いを目指す構想です。

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コーヤン流

【参考図は31手目▲1六歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v王|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v銀v香|二
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩v銀v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 角 ・ 銀 金 桂 歩 ・|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 王 ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=31 ▲1六歩まで

ノーマル三間飛車の伝説の棋書「コーヤン流三間飛車の極意」(中田功七段 著)によってその名が爆発的に普及した「コーヤン流」。

対急戦と対持久戦がありますが、最も有名なのは対居飛車穴熊のコーヤン流でしょう。

この居飛車穴熊対策のコーヤン流は、「島ノート 振り飛車編」(島朗九段 著)の命名で「中田功XP」とも呼ばれています。

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トマホーク

【参考図は▲6五歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v王|一
| ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀v香|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v歩v角 ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ 銀 ・ 桂 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ 王 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 ▲6五歩まで

5筋の歩を突いてない居飛車穴熊を相手に、ノーマル三間飛車▲6七銀型から左銀と端桂の進出を軸に強襲を仕掛ける、超攻撃的戦法です。

左銀を6七→5六→4五と進出し、△8四飛と受けさせてから▲1七桂〜▲2五桂と跳ねるのが基本手順。その後、▲6五歩と突いて角のにらみをきかせ、タイミングを見計らって▲1三桂成!からの強襲を決行します。

アマチュア棋界でタップダイスさんがトマホークを解説した電子書籍(「トマホーク解体新書」など)をリリースしたことが主なきっかけとなり、その名が広まりました。

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三間飛車藤井システム

【参考図は△7三桂まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金v王v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・ ・v飛 ・ ・|二
| ・v歩v桂 ・v歩v銀v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 金 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 王 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 △7三桂まで

四間飛車の藤井システムの思想、構想を三間飛車に応用した戦術です。

2016年度の第66回NHK杯テレビ将棋トーナメントで、佐藤和俊六段がこの三間飛車藤井システムを駆使し、羽生善治三冠(当時)を含む名だたる強豪を連破して準優勝したことでとりわけ注目を集めました。

居飛車穴熊対策の戦術であることはもちろん、居飛車の急戦にも対応した、変幻自在の布陣です。

2018年9月には、佐藤和俊六段執筆の「緩急自在の新戦法! 三間飛車藤井システム」が発売されました。

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下町流三間飛車

【参考図は▲5六同飛まで】
後手の持駒:歩 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v王|一
| ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・v香|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v角v歩v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 飛 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 王 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=0 ▲5六同飛まで

小倉久史七段が自身の三間飛車の流儀に対して名付けた愛称、それが「下町流三間飛車」です。

小倉七段は、この愛称を用いて「下町流三間飛車―居飛穴攻略の新研究」という戦術書をリリースしています。

この棋書では、対居飛穴玉頭銀、▲5八金型石田流、▲7八金型石田流、相穴熊といった戦法が解説されています。

この中で、対居飛穴玉頭銀が最も独創的で勢いがあって粋(いき)な雰囲気が出ており、下町流三間飛車と呼ぶにふさわしい戦法なのではないかと思います。

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三間飛車穴熊

【参考図は36手目△4四銀まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v金v桂v王|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v銀v香|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v銀v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 銀 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ ・ 歩 ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・ 銀 香|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 金 桂 王|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=36 △4四銀まで

居飛車穴熊に堅さ負けしたくない、という人にとってうってつけでしょう。振り飛車側も同じく穴熊に組んでしまいます。

この両者穴熊の戦型を「相穴熊」と呼びます。

三間飛車穴熊を目指すのであれば、まずは左辺にはあまり手をかけずに、さっさと玉を1九に潜り▲2八銀とハッチを閉めることを優先した方が良いでしょう。穴熊が不十分なまま居飛車に戦いを起こされると、収拾がつかなくなる恐れがあります。

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VS急戦&右四間

(作成中)

居飛車側のノーマル三間飛車対策(居飛穴&持久戦)

居飛車穴熊

     【参考図】
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v桂v玉|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀v香|二
| ・ ・ ・ ・v銀v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+

三間飛車のみならず、すべての振り飛車の天敵。それが「居飛車穴熊」です。

一般に、△4四歩を突くと△4三金型穴熊となり、突かない場合は△4四銀型穴熊となります。△4四銀型の右金の方が玉に近い位置にあるため、玉の固さは基本的に△4四銀型のほうが勝ります。

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ミレニアム囲い

【参考図は▲7九銀右まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王v金 ・v金 ・ ・v飛 ・|二
| ・v銀v角v銀v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 桂 金 角 歩 桂 飛 ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 王 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 ▲7九銀右まで

四間飛車藤井システムが猛威をふるった世紀末から新世紀をまたぐころ(西暦2000年ごろ)、居飛車穴熊に代わる堅い囲いが求められた時代に登場した、▲8九玉型が特徴の新たな囲いです。

「トーチカ囲い」と呼ばれることもあります。

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天守閣美濃

【参考図は▲7八銀まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王v銀 ・v金v銀v飛 ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 王 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 銀 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 ▲7八銀まで

対振り飛車で用いられる、▲8七玉型の左美濃です。

玉が高い位置にいる美濃囲いであることから、「天守閣美濃」と呼ばれています。故・松浦卓三八段が最初に指し、「松浦玉」とも呼ばれていたそうです。

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居飛車側のノーマル三間飛車対策(急戦&右四間)

▲5七銀左型急戦

【参考図は△6四歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王v銀 ・v金v銀 ・v飛 ・|二
| ・v歩v歩 ・ ・ ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 王 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 △6四歩まで

先手居飛車急戦VS後手ノーマル三間飛車で、居飛車側が船囲い▲5七銀左型に組んだあと4筋から仕掛けていく、昭和の時代によく指されていた急戦定跡です。

三間飛車側は、左銀を4二の位置で保留し、飛車を3二から2二に振り直して居飛車の仕掛けを待ち構えます。

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▲4五歩早仕掛け

【参考図は▲4五歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v王 ・ ・v金v銀v飛 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 王 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=0 ▲4五歩まで

先手居飛車急戦VS後手ノーマル三間飛車で、▲7九銀型船囲いから右桂を跳ねる前に▲4五歩と仕掛けていく急戦定跡です。

昭和後期になって再評価され、平成に入り実戦例が増えました。

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右四間飛車

【参考図は18手目△6五歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v王v角 ・|二
|v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v銀 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 銀 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18 △6五歩まで

対居飛車矢倉や対四間飛車の戦術として有名な右四間飛車。

三間飛車に対して用いられることももちろんありますが、三間飛車が十分に戦えるとされています。

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