第67期王将戦 菅井王位、タイトル獲得後の初戦で2手目△3二飛戦法

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若手屈指の好カード

第67期王将戦2次予選、斎藤慎太郎七段 対 菅井竜也王位戦。

菅井王位が、タイトル獲得後の初戦で、後手番猫だまし戦法(2手目△3二飛戦法)を採用しました(第1図)。

【第1図は2手目△3二飛まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v王v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=2 △3二飛まで

先日タイトルを獲得したばかりの菅井新王位ですが、さっそく魅せてくれました。

相手は斎藤慎太郎七段。今年6月から7月にかけて、第88期棋聖戦五番勝負で羽生棋聖に挑戦していた、若手ホープの1人です(こちらは惜しくもタイトル獲得ならず)。

三間飛車左玉?

本譜は、先手が▲7七角から向かい飛車にしたのに対し、後手は左銀をどんどん繰り出していきます(第2図)。

【第2図は14手目△7五歩まで】
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v王v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛v角 ・|二
|v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩v歩v歩|三
| ・ ・ ・v銀v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・ 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=14 △7五歩まで

さらに第2図から、▲9五角△4二玉?!(第3図)と進行。

【第3図は16手目△4二玉まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・v王v飛v角 ・|二
|v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩v歩v歩|三
| ・ ・ ・v銀v歩 ・ ・ ・ ・|四
| 角 歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし

手数=16 △4二玉まで

序盤早々、玉、飛車、角が並びました。この戦型は、相振り飛車に分類してよいのでしょうか?

中飛車左穴熊ならぬ、三間飛車左玉。

こんな珍形は今まで見たことがありません。

せまる戦国時代

序盤早々から激しい戦いになったにもかかわらず、両者均衡を保ちながら、150手を超える大激戦となりました。

 

結果は斉藤七段の勝ち。

羽生三冠を圧倒し勢いに乗る菅井王位でさえ、簡単に勝たせてもらえないのが今の将棋界です。

木村一基九段、行方尚史八段、豊島将之八段、中村太地六段(現在第65期王座戦で羽生王座に挑戦中。初戦に勝利)、千田翔太六段、永瀬拓矢六段・・・。

羽生世代、渡辺明竜王、久保利明王将らに勝てなかっただけで涙をのんだ「銀メダリスト」たちは、この将棋界にはごまんといます。

また、佐藤天彦名人が実力者なのはもちろんのこと、糸谷哲郎八段、広瀬章人八段、そして三浦弘行九段ら、タイトル経験者も虎視眈々と再奪取を狙っています。

そして、これらトップ棋士達を一気にごぼう抜きする可能性を秘めたスーパールーキー、藤井聡太四段。

 

棋士達の年齢や世代、エピソードなどを知っておくと、将棋観戦がより面白くなることうけあいです。