VS居飛穴&持久戦の基礎知識 コーヤン流とは その1

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※この記事は、2005年に書いた記事に加筆修正を加えたものです。

「コーヤン流」とは

続いては「コーヤン流」。

コーヤン流とひとくちに言っても、居飛穴側の陣形によってコーヤン流の布陣は姿を変えます。

居飛穴側の陣形として、主に下記の4パターンが挙げられます。

① △6四銀・△3三角型(第1図)

② △4四歩型(第2図)

③ △5三銀・△4二角型(第3図)

④ △6二銀・△4二角型

なお他に、5一まで角を引く形もありますが、これに対するコーヤン流は体系化されていないようです(単に書籍で取り上げられていないだけで、中田功七段は当然対策を用意しているでしょうけど)。

今回は①から③までの3パターンに対するコーヤン流を紹介します。

VS △6四銀・△3三角型

【第1図は31手目▲1六歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v王|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v銀v香|二
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩v銀v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 角 ・ 銀 金 桂 歩 ・|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 王 ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=31 ▲1六歩まで

まず第1図は、①△6四銀・△3三角型。

▲3七桂(3三角と5三銀の両取り)に対し後手が△6四銀と上がり、そこで先手が▲1六歩と突いた局面。

△6四銀に対しては、▲4五歩とは突きません。

後手の△7五歩からの速攻に対し、▲4五桂以下の反撃の含みを残しておくためです。

また、仮に後手がすぐ仕掛けてこないにしても、△6四銀型に対し▲4五歩~▲4六銀と4筋位取り美濃囲いを築いても、中央制圧が難しく効果が薄いという理由もあります。

もちろん▲3五歩からの攻めもあるので4筋位取り美濃は効果的ではありますが、 それよりも穴熊の急所である端のほうを急ぎ、▲1六歩とするのです。

第1図以下は、一例として以下の手順が挙げられます。

第1図以下の指し手
      △7五歩
▲4五桂  △4二角
▲6五歩! △同 銀
▲6八飛  (図略)

これは三間飛車側有利。

手順中、△4二角のところ△4四角でも▲6五歩です。

VS △4四歩型

【第2図は31手目▲4五歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v王|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・ ・v銀v香|二
|v歩 ・v歩v歩v銀 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 銀 金 桂 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 王 ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=31 ▲4五歩まで

続いては②△4四歩型。

これに対しては第2図のように早速▲4五歩と突きます。

△4五同歩では▲同桂で両取りですので、△4三金▲4六銀と進みます。

以下どこかのタイミングで▲4四歩と取り込み、△同銀(同金)▲4五歩となって4筋位取り美濃囲いの好形に組むことができます。

ただし後手も一歩を手持ちにできるため、一概に作戦勝ちとは言えません。

VS △5三銀・△4二角型

【第3図は31手目▲4五歩まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v金v金 ・v桂v王|一
| ・v飛 ・ ・ ・v角 ・v銀v香|二
|v歩 ・v歩v歩v銀v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 銀 金 桂 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 王 ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=31 ▲4五歩まで

最後に③△5三銀・△4二角型。

▲3七桂に対し、両取りを避ける△4二角。

そこで図の▲4五歩が、四枚穴熊を阻止するコーヤン流の一手です(自然な一手とも言えますが)。

以下は端歩を突いた後▲4六銀とし、▲3五歩~▲3五銀から▲2五桂を狙います。

もちろんその間に居飛車側からの斜め棒銀の攻めがあるので、それを軽くいなしながらうまく戦う必要があります。

VS △6二銀・△4二角型

④△6二銀・△4二角型とそれに対するコーヤン流の構想については、次回紹介します。

www.thirdfilerook.jp

参考文献