石田流の基礎知識 石田流本組みとは その1

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※この記事は、2008年に書いた記事に加筆修正を加えたものです。

「石田流」とは

「石田流」とは、かんたんに言ってしまえば▲7六飛型(後手番であれば△3四飛型)を目指す構想のことです。

石田流にまつわる話や背景については、例えば石田流 - Wikipediaを参照下さい。

 

まず本記事では、最も一般的な「石田流本組み」とその類似形について説明します。

「石田流本組み」とは

【第1図は31手目▲5八金左まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・v金 ・v銀v角 ・|二
| ・ ・v歩v銀v歩v歩 ・v王 ・|三
|v歩v飛 ・v歩 ・ ・v歩v歩v歩|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 飛 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 角 歩 桂 銀 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 王 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=31  ▲5八金左まで

石田流本組みの特徴として、以下が挙げられます。(石田流側を先手としています)

  • 角交換無し
  • ▲6六歩型
  • ▲9七角・▲7七桂型

囲いには特に規定はありませんが、バランスを考慮し美濃囲いにするのが一般的です。これは石田流すべての形に対していえます。

振り飛車穴熊は、囲いが右辺に偏りすぎ(金が5筋・4筋ではなく、2枚とも3筋にくる、ということ) なきらいがあり、駒がうわずった軽い形である石田流とは、相性があまりよくありません。

最低限5七の地点には金の利きを残しておいたほうがよいです。

組むチャンスが少ない

実は、石田流本組みは、居飛車側が許してくれないと指せない形です。

【第2図は6手目△6二銀まで】
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v王v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 王 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=6  △6二銀まで

第2図の△6二銀のところ、△8五歩と突かれていた場合、三間飛車側は▲7七角と上がって△8六歩を受けねばなりません。

そうなると、▲9七角型にはなかなか組みにくくなります。

また、最近は対石田流の有力戦法である「棒金戦法」(いずれ解説します)に対抗するため、石田流側はできるだけ▲9七角と上がる手を保留する傾向にあります。

したがって、石田流本組みが実戦で生じるケースは今ではほとんどありません。

▲6八角や▲5九角と角を右側に引いてから石田流を目指すことはできますが、▲9七角型ではないためこの形は厳密には「石田流本組み」とは呼ばれておらず、 他の特定の呼び方もありません。

ただし、実戦で生じるケースはこの「名も無き石田流」の方が圧倒的です。

居飛車が持久戦にしてきたときに、手にあわせて▲7五歩~▲6八角(5九角)~▲7六飛とするのが、 対居飛車持久戦の有力な戦法の1つとなっています。

例えば、(升田式)石田流のひとくちメモ MEMO9「石田流VS居飛穴」を参照下さい。

 

次の記事に続きます。